薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

東京日記(64)

いま住んでいる町には、本当に鳥が多く住んでいると思う。いま、ベランダから見える、すぐ目の前の家のテレビアンテナにも、どこからかやってきて、小鳥が一羽とまっているが、つくづく鳥は奇妙な生き物だと思う。奇妙じゃない生き物などいないんだろうけど。野生の鳥と人間の距離感というか。犬や猫とはまた違ったかんじが。普通に側にいるのに、羽がある生き物とない生き物の距離感が。

カラスが一羽、わたしが家にいると、訪ねて?来る。

カーテンなど閉めているのに、鳥には気配でわかるのか、住んでいるアパートの、わたしの部屋の前の廊下まで来て、こちらが出てくるまで、カアカアと鳴きつづける。

わたしが玄関の扉を開けると、いったん捕まらない距離まで離れてから、ネコのようにゴロゴロと喉を鳴らして鳴いたり、階段の手すりの上でピョンピョンと跳びはねたり、首を傾げたりしてこちらをひとしきり見つめてから、飛び去って行く。

たまに何のつもりか、枝や木の実を咥えてやってきて、それを置いていったりする。

ときどきはめんどくさくて、カアカア鳴き続けても無視するときもあるのだが、扉を開けて出ると、必ずカラスは同じようなことをする。

普通に行けば、カラスよりも人間である自分の方が寿命が長いので、いつか必ず訪ねてこなくなると思うと、少し寂しい気持ちになる。

 

2015.07.12 Sunday

 

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