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薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

父語る

おやじよ、オレと一緒のとき、なぜうんこをもらしたときの話をするのだ。もっとドラマの一場面のような話を出来ないのか。菅原文太クリント・イーストウッドが、息子にうんこを漏らした話を語るシーンなどないだろう。

おやじの70年に渡る人生の中で、特に思い出深いうんこエピソードをオレに語って聞かせて、いったい何になるというのだ。

わたしは東京駅構内の、銀の鈴前のベンチに座って、おやじの「うんこベスト5」を聞き流しながら、東京駅の地下街を行き交う人を眺めた。

身なりの良い、どこぞの文系大学の教授みたいな感じの、50代ぐらいの男性が、息子なのか、小沢健二オザケンみたいな青年を連れて、どこかに家族での用事があるのか、おそらく手土産の、老舗菓子店のだろう紙袋などを二人とも提げて、歩いていく。

息子である、オザケンみたいな青年はダッフルコートをオシャレに着こなしている。一目見て、あれはかなりの値がするコートだとわかる。きっといい大学を卒業して、一流企業などに勤めているのだろう。

持ち込みに行ったとき、向かい合った編集者の人がこんな感じで、20代後半ぐらいだった。

オレが四十前になんとかたどり着いた場所に、この人はもうこの年で余裕でいて、ここから更に経験を積んでいくんだろうな。選ばれた人たち同士で仕事をし、そして私生活でも同じような感じの人と結婚して、子どもは私立の学校とかに入って、などと思ったことをふと思い出した。

まだ横で、うんこの話をしている。

浅田彰や、東浩紀や、宮台真司が、息子にうんこをもらしたときの話などしないよな、浅田彰の「うんこベスト5」などありえないものな、と思った。

 

2014.08.14 Thursday

 

kaorubunko.hatenablog.com

 

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