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薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

神楽坂

Nさんとあった。

ベローチェで、これじゃあ売り物になりませんと言われた。

そのとおりだと思った。

書き直せばまた読みますよ、と言ってくれたが、本気で言ってはいないだろうな、と思った。そして自分の精神状態が、いまものを書いて、それを自分で良し悪しを判断できるほど、まともな精神状態でないこともわかっているのだった。神経が衰弱しているのを感じる。そして家族にも、これでダメだったら諦めると約束させられているのだった。もう書き直すことはできないのだった。

Nさんは今日この後大事な人とでも会うのか、いままででいちばんおしゃれな服を着て、髪にも艶があり、いちばんきれいに見えるのだった。女性というのはそういうものかも知れないな、と思った。

Nさんに、西村賢太の『苦役列車』を渡された。

これでこの風景を見るのも最後だなと思いながら、神楽坂を飯田橋駅に向かって下って行った。毘沙門天を横目に見た。忘れないぞ、忘れないぞ、と思いながら、坂道を一歩一歩踏みしめるように歩いた。

 

2012.08.02 Thursday

 

 

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