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薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

おっぱいと男(中)

男は帰りにもりそばを食べようと思いました。

しかし、しばらく道をまっすぐ進んでいると、少し先にある区役所の前に、ずぶ濡れのおっぱいが立っていました。

鳥肌を立てたおっぱいが、男がやってくるのを待ちかまえています。

おっぱいは待ちかまえているのに、男の方を見ようとはしません。

 

男もおっぱいの方は見ないで、黙って無視したまま、前を通り過ぎることにしました。

しかし、男がそのままおっぱいの前を通り過ぎようとしたそのとき、男の顔に、なにか生温かいものがかかりました。

おっぱいの乳でした。

 

男が思わずおっぱいの方を見てしまうと、正面からぴゅっとかけられ、乳が目に入ってしまいました。

わぷっとなって、男が手で防ごうとしても防ぎきられない勢いで、男は何度も乳をかけられてしまいました。

男は練乳をかけられたかき氷みたいになりました。

 

なにをするんだ、と怒った男を、おっぱいはすぐに背を向けて無視しました。

おっぱいのうしろ姿は、まるでおしりのように見えます。

男を無視したまま、おっぱいはとことこと歩き出しました。

区役所の入り口の方に向かっています。

 

おっぱいは谷間から紙を取り出しました。

紙には何か書いてあります。

一回立ち止まって、ちゃんと書いてあるかを確かめているようです。

よく見るとそれは婚姻届でした。

川に落ちたので少し湿っています。

そしてなぜか、紙には男の名前が書いてあり、その横にはおっぱい、と書いてあるのでした。