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薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

誘拐計画

ペットとの日常を書いたエッセイ本には、根強い人気があるので、そういうものを書いてみようかと、最近わたしは考えているのです。
しかしまずは動物と、一緒に暮らさないことには書けないので、わたしは動物をわたしの家にさらってくるために、誘拐計画の方もたてようとしています。

ブタを飼ってブタをぶち殺してブタを食べた。そんな本を出した人もいるのだから(実際に読んでないんで想像で語っているのですが)、動物ぐらい誘拐して来ても罰せられないんじゃないのかと、わたしは思ったのです。身代金を要求したり、虐待したりするためではなく、愛するために誘拐してくるわけですから。
でも、やっぱりダメでしょうか。売れたあとに酷いヤツだとネットで炎上して、はてなブックマークもたくさん付いて、見知らぬひとが日本中から次々とやってきてわたしをなじっていくのは(ドMとしてこの上ないご褒美ですし)二度おいしいかな、とまで思ってしまったわたしは、見下げはてたクズかもしれません。
でも、わたしは人間にはやさしいつもりです。
外面はよく、社交辞令はちゃんとするけど、人を人とも思っていないような、自分のためにただ利用するだけの、はらわたが腐りきっているやつが案外いるものです。
自分の願望を満たすだけみたいな、お腹がへったら食べちゃって、あとは知らない、という態度は、わたしは動物だけにしかとっていないつもりです。
でもそもそも、「動物」ってすごい言葉ですね、動く物ですから、だからそもそも言葉にそういう意識がでているわけで。
いや動物に対しても、ペットを飼っている人と比べたら、自分はやさしい人の方だと、そう思います。
ただお外で、自由にしている動物たちを、ただ自分のためだけに、勝手に誘拐してくるというところが、ちょっと問題かな、というだけで。
やはりなれそめが、誘拐からはじまる愛はないのでしょうか。

でもそもそも、動物園にいる動物も、ペットショップにいる動物も、同じといえば同じですよね。
わたしも人気商売なので、その件にかんしてはもうここらへんにしておこうとおもいます。
別にだからけしからんと、わたしは思いませんし、山から下りてきたヒグマは撃ち殺せ、というタイプです。漁の邪魔をするイルカを棍棒でぶち殴るのはいたしかたがない、と思うタイプです。


ただそういうふうに考えたりすると、小学生頃のわたしはずいぶん残虐で、悪逆非道なヤツだったのだな、と思います。
ただ飼いたいというだけで、近くの川や山にいる、カニやカブトムシにそんなことを夏になるたびにしていたわけで、涙を流していたお母さんカニとか、娘カブトとかいたんでしょうか。
ああ、カブトの娘はカブトの姿をしてはいないですね。ふとい白い虫でしたね。で、生んだら両親死ぬし。ということはカブトはセーフでしょうか? カニも子供を生むと死ぬんだったでしょうか。
虫かごなどという、プラスチックのケースに入れて自由を奪い、食いさしのスイカなどを与え、煮干しなどをハサミでつかませて喜び、プライバシーなどというものを与えず、横歩きをしていたり、腐葉土の上を這い回っているところをジロジロ見つめて楽しんでいる。
そして夏の終わりには、カニはいつのまにか水の上にプカリとひっくり返って浮いており、カブトムシも土の上にひっくり返っている。
毎年、カニは川に、カブトムシは土の中に、葬ってやっており、毎日餌も与えて、世話もちゃんとしていたので、感謝されてもいいくらいだ、と思っていたこともある傲慢なガキでしたが、わたしなどに飼われなければ、もっと幸せなカニ生活、カブト生活を送れていたのかもしれません。つまりすべては人間のガキのエゴなのです。
ただ、カニやカブトと、たとえば犬や猫とは、やはり飼う上で何か違うような気がするのは、餌を与えたときなどに、犬や猫は感謝の態度をしめしてくれる(ただそう見えているだけかもしれませんが)からでしょうか。
しかし動物、彼らもバカではないらしくて、わたしのようなウスノロに、おめおめと捕まるようではないらしい。
子供の頃は、カニやカブトを捕まえまくっていた優秀なハンターであるわたしも、近所の公園などにいる動物は、なかなか捕まえられないのです。
ハトやカラスや野良猫に、パンなどを与えて、おじさんと一緒に暮らさないかい、そしておじさんに本を出させてくれないか、と言ってみるのですが、それなりに寄ってきてパンなどを食べたりすることはあっても、まだ捕まえられる距離にまでは、近づいて来ません。
食い逃げです。人間だと罪にとわれるところですが、相手は動物なので許さないといけないのでしょう。
ペットとの日常をつづった本の発表までには、まだかなりの時間が掛かりそうです。

 

2012.05.19 Saturday

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