薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

2011年3月11日

家で寝ていると、揺れを感じて目が覚めた。

これまでに体験したことのないほどの大きな揺れだった。

古い木造アパートは今にも倒壊しそうで、天井を見つめて、これは死ぬかもしれないな、ここでわたしは終わりなのか、と一瞬思ったことを憶えている。

アパートの部屋から出て、外廊下と階段をなんとか手すりなどにつかまりながら進み、二階の部屋から一階に下りたが、それでも揺れはおさまらなかった。

階段の手すりに掴まっていることしかできず、向かいの一戸建てに住む人も家の中から出ていて、ドアノブに掴まりながらやっと立っている感じで、お互い掴まったままじっと無言で揺れながら見つめあっていた。

揺れがおさまり、部屋の中に戻って、物が散乱した中からなんとかリモコンを見つけてテレビをつけると、津波が東北地方の海岸などにこれからもうまもなく押し寄せるかもしれないと言っていたが、なんだか現実感がなかった。

やがて画面が、ヘリコプターからの、海からの津波が川を逆流しながら上っていっていく様子を映し出し、畑や家や学校や車や人が、なすすべもなく津波にのまれ、人が津波によって無差別に殺されていく様子をテレビの画面で見た。画面の隅に表示された地図には、東北地方の太平洋岸は真っ赤に染まっていた。

家族に電話を掛けるがつながらない。

夜中、海外に旅行に行っている友人から電話があり、無事だったんだ本当によかった、と友人は電話の向こうから言っていた。

 

2011.03.11 Friday