薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

東京日記(24)

弱い自分、思い通りに気持ちをコントロールできない自分自身に落ち込む。
最近、自分自身でさえも、自分で上手くコントロールができない。
将来の不安と、自分への落胆。
ずっと一日寝ていた。
朝、魔がさしたように自転車に乗り、どこに行こうとも思わないのに漕ぎ出した。
失踪したい気持ちというのはこのような感じなのだろうか。
普段と変わらない生活をしている人たちの横を自転車ですり抜けて進んだ。
どこまで行っても下町がつづいていて、どうやって生活してるのかわからないような町の小料理屋とか、服屋とか、文房具屋とかがあったりした。
ふと、浅草に行ってやろうかと思った。
適当に、こっちだろう、という感じで自転車を漕いだ。
しばらく行くと、町がどこか浅草ぽくなってきて、あの、ビルの上にのっている、黄金のウンコのオブジェ?が目の前に見えた。

ウンコだ、と思った。
ウンコが見えた、ウンコが見える、と思った。
ウンコがよく見えるところまで自転車を漕いで行き、ウンコを携帯のカメラで撮影し、画像を保存し、「ウンコ」という題名を付けて、画像を添付して関東に一人だけいる千葉の友人にメールを送った。わたしと違い、かたい仕事に就いている友人は、今頃「ウンコ」のメールが送られたことも知らずに、真面目に働いているだろう。
なぜかふと、ここで自分が事故にでもあって死んだら、最後に送ったのがウンコのメールになるのか、と思った。最後に「ウンコ」の画像が添付されただけのメールを送られた友人は、なんと思うのだろう。
送った画像を自分でも見返してみたら、あんまりウンコがよく撮れていない気がするので、こんどは吾妻橋の上から「ウンコ」を何度も撮影し、これはよく撮れたと思った「ウンコ」を保存して、「ウンコウンコ」という題名を付け、また友人の携帯に画像を添付してメールを送った。
吾妻橋の上を横切るように交差している首都高?の高架橋を、トラックが何台も走り抜けていく。何だかああいうトラックのデザインってかっこいいな、と思った。
吾妻橋の先にある鉄橋を、列車がなぜか凄くゆっくりしたスピードで渡っていく。
吾妻橋を渡っていく人たちは、浅草に向かったり、一旦浅草に行って戻ってきた人たちだからか、どこか普段よりも浮ついた空気を纏っているような感じがある。
なぜここまで自転車を漕いで来たのか自分でもよくわからなくなった。
所詮この程度のものなのかな、と思った。

しばらく吾妻橋から川沿いを眺めた後、雷門の前まで自転車を漕いで行った。
多くの人が、だいたい一度限りしか、しかし多くの人が一度は訪れる街の雰囲気は何か独特だ。観光地、という感じがする。
前を通り過ぎていく、修学旅行の女子高生のうわついた顔を見たりして、また来た道を自転車で漕いで戻った。
また何だかあまり活気の無い中途半端な時間帯の下町を、自転車を漕いで戻った。

 

2010.06.02 Wednesday

広告を非表示にする