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薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

広島人東京に来る

友人が東京に来るという。
正確には茨城の土浦で、新しく勤める仕事の研修であるらしいが、休みのときに東京を案内してほしいという。
案内といっても諸般の事情により最近ほぼ無職状態になり、もともと来た時から金が無かったので名所回りなどしてもおらず、東京など来ただけで自分の住む町以外にはほとんど行ったことがなく、誰もが名前を知っているような東京の町も、自分の寝起きしているボロアパートからどの方角にどれくらいの距離離れているのかまったく見当がつかない。
案内など出来るわけがないし、無職だから案内しようにもそこまで行く交通費さえ正直苦しい。電車やバスはタダではないのだ。
しかし、東京はすなわち江戸である。ということは、電車やバスなどなかった江戸時代は、みんな徒歩で江戸中を行き交っていたわけで、よし徒歩で行こうと思ったが、友人は現代人なのでそんなこと許してくれるわけもなく、実際にやったら東京という大都会の真ん中で、ふたり人知れず行き倒れになるかもしれぬ。
すまん案内できないと、人でなしのようなことを口走りそうになったが、友人はこれがはじめての東京であるし、以後二度と東京には来れないだろうというので、すまん案内できぬと言いきることが出来なかった。
それでどこに行きたいかと訊けば、やっぱり東京タワーや皇居には行ってみたいし、最近話題の秋葉原にも行ってみたいという。浅草や柴又とかに行って下町情緒を味わったうえ、もんじゃ焼きももちろん食べたいという。
いったい何回電車に乗ったりバスに乗ったりしなければならないのだろう。
一日三百円程度の食費でわたしは生活しているのだが、いったい何日分必要になるのだろう。
交通機関とは恐ろしいもので、行き賃だけではなく、お家に戻るには帰り賃も必要なのだ。
行きで二百円掛ったら、帰りにも二百円掛る。全部で四百円。もうわたしの一日分の食費が消えている。まして東京は一つの電車に乗っていればどこにでも行けるわけではなく、乗り換えないと行けないのである。

 

2008.04.26 Saturday

 

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