薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

東京日記(6)

両国の駅前の、相撲グッズを売っている店で見た、決まり手てぬぐいが、ことあるごとに頭に浮かぶ。
買おうか買うまいか悩んで、他にもてぬぐいはいくつも持ってるので、そんな無駄なものを買うほどの余裕がいまある身分なのかお前は、とか、自分らしくもないことを思って、買わなかったのだった。
しかし、買わなかったら未練が残ったのか、たびたびあの決まり手てぬぐいが、あの時の店の雰囲気が、頭から離れない。頭の中に両国駅前の景色が浮かぶ。
といって、わざわざそれを買うためだけに、電車かバスに乗り、両国に行くというのも、いまそんな余裕がある身分なのかお前は、という気がする。
しかし、駅前の高架側にあるマクドナルドの、窓際の席に座り、コーヒー紅茶を友人と飲みながら、北斎展を見るためにはじめて連れて行って貰った江戸東京博物館が気に入って、また来ようと言っていたこと。
その時に、横目で高架上を見上げると、走り去っていく総武線の列車が見えて、それを何の気もなしに眺めていたこと。
それらをふっと思い出す。
友人は、高架下に神輿の入れ場所があるよ、とか言っていた。
そういえば飲み物を頼む時に、バイトの女性が新しく入ったアジアの人らしく、たどたどしい日本語の接客を受けながら、日本もそういう世の中になって来ているんだな、と思ったことも思い出した。
やっぱり買っとけばよかったという気がする、買っておけばそのてぬぐいを見るたびに、そいうことを思い出しただろう。それとも買わなかったから憶えているのだろうか。
その日の両国はとても寒くて、風がすごく吹いてて、日曜日で相撲もあり、朝青龍がいろんなゴタゴタから復帰した場所だったから、ちょうど帰る時間に相撲が終わる時間とかちあって、おみやげの袋をさげた人などがホームに溢れてて、駅員が列車が入りますお気をつけくださいと何度も拡声器で繰り返し言っていたこととか、三鷹方面に行く列車には人がどんどん乗り込んでいったのに、千葉方面の列車には殆ど人が乗らなくて、なるほど相撲というのは西東京の人が見に来てい るものなのかと思ったりしたことなども思い出す。
買わなかったので忘れてしまうまえにここに記す。

 

2008.03.01 Saturday

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