薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

雨雨雨。雨ばかり。
いつのまにか、洗濯物がたまって着るものがなくなってきた。
パンツとバスタオルはもう一枚もない。

洗った服を朝干して出かけたら、午後雨が降って帰った時にはべちゃべちゃに濡れていたり、数日雨が続いていたがめずらしく晴れた日に、さあ洗濯しようと思ったら、突然用事が入って出かけなければならなくなり、明日洗濯すればいいかな、と思っていたら、次の日からまた雨が降り続いて、結局一週間以上も洗濯していないことになっていた。

風呂上りに、押入れを開けたらパンツが一枚も無い。洗濯してないから代えが、と気づいてももう手遅れで、もう湯上りで裸である。せっかく風呂に入ったので、さっきまで穿いていたパンツを穿きたくはない。

押入れには、短パンとTシャツが一枚ずつと、タオルが数枚あるだけだ。後は季節はずれの服しかない。とりあえずTシャツを着て、ノーパンのまま、短パンを直接穿いた。

いまも雨が降っている。ネットで予報を見ると、さらに数日雨が続きそうである。洗濯しないと、もう本当に何も着る物がない。無いからといって、しかし冬物を着るのか。もうTシャツやパンツの下着類が無い。裸の上にコートを着ていたら、ある種の変態ではないだろうか。

家に一人引きこもっているようなものなので、別に数日真っ裸で過ごしてもいいかな、と一瞬思ったが、真っ裸だと、宅急便が届いても受け取りに出ることが出来ない。扉の隙間から、にゅっと腕だけ出しても、おかしいのではないだろうか。不審に思った配達員が、思わず隙間から覗き込むと、そこに印鑑を持った素っ裸のおやじが立っている。女性配達員だったら事件になってしまうかもしれない。

ブログの更新など、裸で更新していてもクレームなどこないし、不謹慎だと叱られもしないが、たとえば友人が訪ねてきて、裸で紅茶を出したりしたら、ついに頭がおかしくなったか、と思われそうである。

仕方がないので、ちょっと家から距離があるのだが、コインランドリーに行くことにした。たまった洗濯物を洗い、量が多く適当な袋も無いので、ビニールのゴミ袋に詰め、肩に担ぎ、傘をさして夜道を歩いた。

コインランドリーの前まで来たら、明かりが消えている。営業時間終了かと思ったら、扉に貼ってある紙を見ると、夜十時までとなっていて、あと十分ある。扉も開くので中に入ったら、暗いなか、ひとつの乾燥機が回っていた。乾燥機が回っているので電気は切られてないようだが、明かりをどこで点けるのかがわからない。乾燥機を使っている人はどこにいったのだろう。

そうしている間にも時間がなくなるし、もう他に客も来そうに無いので、洗濯物を分け、残りの乾燥機すべてを使って乾かすことにした。

暗いなか、すべての乾燥機が回っている。残り時間を示す乾燥機のデジタル表示だけが、赤く点っている。

後ろで物音がしたので振り返ると、女の人が入口あたりで躊躇している。暗いのでシルエットでしかわからないが、若い女性で、何だか風呂上りのようだ。向こうも明かりの点け方がわからないらしい。ひとつ回っていた乾燥機の利用者のようだ。

いつのまにか、真っ暗な店内に、洋なし体形をしたおやじがひとり立っていて、大きなビニール袋を下げている。暗いので表情も、どんな人間なのかもわからない。向こうにしてみればかなり恐ろしいかもしれない。しかも隣までやってきて、自分のパンツやブラジャーなどを取り込まなければならないのだ。さらにわたしは、短パンの下にパンツを穿いていない。それに向こうは気づかないだろうが、ノーパンだよ僕は、と告げたらどうなるだろう。事件になってしまうかもしれない。

しばらく真っ暗ななか向き合っていたら、向こうの使っていた乾燥機が止まった。仕方が無いので、向こうにわたしは背を向け、店の端まで歩いていき、暗いのでそちらを向いていても何を乾燥させていたのかは見えないのだが、取り込むところも見るつもりもないし、危害も加える恐れもないことを示した。だまって背を向けていたら、ゆっくりと店内に入って来たのが気配でわかり、服を取り込んで、袋か何かにつめる音が聞こえ、やがて早足に出て行った。

それからまた一人で、真っ暗な店内に立ち。乾燥機の赤いデジタル表示を黙ってわたしは見つめた。終わって取り込んだら生乾きだったが、時間がもう無いのでそのまま帰った。

 

2007.07.18 Wednesday

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