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薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

上京日記(46)

上京日記

五月二十二日

チラシがわたしを誘惑してくる。チラシは絶対におサセである。
届いた光熱費の請求書を取りに、郵便受けを覗くわたしを、チラシはいつも横から誘惑してくる。
ヤツらの手口はいつも決まっていて、わたしが郵便受けを開けた瞬間から、もう美味しいよ、とろけるよ、やわらかいよ、と誘惑してくる。
ピザ、寿司、中華。最近ではフライドチキンまであり、ファミリーレストランまで参入している。

ヤツらの誘惑に負けたが最後、記されたところに電話をすると、配達員にとんでもない値段を請求されて、下手をすると、一ヶ月分のガス代や電話代よりも高かったりする。

薫国の王様であるわたしを、直接色じかけで落としにかかり、お金を搾り取ろうという魂胆なのだ。この手に引っかかり、国を傾かせた王様がいくらいたことか。まさしく悪女である。

もう、自分のどこが魅力的に見えるのか知り尽くしているのが憎たらしい。ちらちらと見せびらかしてきて、内心どこか、うふふ、と微笑んでいるような気さえする。

電話をしたら生活が傾き、そのあとしばらくどんな辛い目にあうことだろう。しかしだからこそ、電話をしたらどうなるだろう、食べてしまったらどうなるだろう、という言葉が頭に鳴り響く。もともと誘惑に弱いたちなのかもしれない。

 

2007.05.22 Tuesday

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