薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

上京日記(27)

四月二十五日

部屋が臭い。部屋中がかすかに、生ゴミのような、カビのような臭いがする。
キッチンの排水溝からで、それがひどいときは部屋に充満している。
流しの下の扉は出来る限り開けたくない。とんでもない臭いがする。

はじめは、賃貸物件特有の、壁紙や床などの、化学物質的な臭いに似てないこともなかったから、ちょっと生ゴミ臭くはあるが、古いアパートをリホームしたばかりということなので、まあこんな臭いかな、と思っていた。思おうとしていた。しかし、そういうところもあったが、だんだん臭いが酷くなり、鼻につくようになり、耐えられなくなってきた。

頭に来たので近くのスーパーにかけって行き、脱臭剤を買ってきて置いた。

全然臭い。臭いが全然変わらない。頭に来たのでもう一回スーパーにかけって行き、もう一個脱臭剤を買ってきて、二個で排水管を挟むように置いた。しばらく様子をみたが、全然臭いままである。

ネットで臭い理由を調べた。しかしゴミ受けに生ゴミが溜まっているわけでもなく、封水で下水道の臭いを上がらなくする排水トラップもちゃんと問題なくついている。なのに臭い。

パイプ洗浄剤を使ったが、ほんの気持ち程度マシになっただけのような気もするが、仕方が無いので、床と排水管の継ぎ目のフタを、ビニールテープで貼り付け、臭いが上がってくる場所を物理的に無くしたが、それでも臭い気がする。

でももう方法は無いので、泣く泣く我慢することにした。こまめに換気扇を回したりしているが、なぜか余計臭くなる気がするので、全力で臭いのことは気にしないようにしていた。

ある日、近所で買い物をしていたら、近くにいた他の二人組み客が、何か、生ゴミのような臭いがしない、と言い出した。ずっと自分の家にいるから鈍感になっていたが、どうやらわたしのからだには、排水管の臭いが染み付いているようだった。

その場は何食わぬ顔で過ごしたが、家に帰ると、また近所のスーパーにかけって行き、さらに脱臭剤を二個買い足し、以前調べた時に、酢を排水管に注ぎ込むのがいいと知ったので、酢も買い、部屋の臭いを取る、部屋一面消臭、消臭プラグも買ってきた。もう完全にそういう業界のお得意様になってしまっていた。

脱臭剤四個で、排水管を包囲するように置いたが、やはり臭いままであった。酢を注ぎ込んだら、腐った酢飯のような臭いが部屋に充満した。消臭プラグは、何か苦手な臭いだった。

わたしは自称在宅労働者のひきこもりであるのに、これではイライラしてひきこもってもいられない。

原因を突き止めてやると、床と排水管の継ぎ目のフタを外し、床下を覗いたら、大元の下水管の穴に、洗濯機の排水ホースのようなものが、挿さっているだけであった。コックを嵌めているわけではないので、隙間から下水の臭いが直接上がってきている。

古い安アパートであるので、ケチをつけるのは暗黙の了解違反で無駄のような気もするし、貧乏で毎日ストレスフルな生活を送っていると、そういうことを交渉する気力も湧かない。なんだか引越したくなってきた。

 

2007.04.25 Wednesday

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