薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

上京日記(9)

四月八日

町の人はわたしのことになど興味は無いみたいだが、どうも町に住む動物はわたしのことに興味があるみたいだ。夜、ゴミを出しに行くと、少し離れたところか ら猫がじっとこちらを見ていたり、わたしがベランダで洗濯物を干していると、少し離れたビルの上から二羽のカラスがこちらを見ている。自意識過剰だろうか。

さらに、夜、コンビニになどに出かけるとき、近所の工務店の前を通るのであるが、その工務店に飼われているらしい白猫が、必ずわたしに鳴きかけてくる。しかも、行きしなには現れもしないのに、帰りしなには必ず現れて、ガラス越しにニャアニャアとわたしに鳴きかけるのだ。

夜以外の時間帯にも鳴きかけてこないし、他の人が通ったときは、鳴きかけてはいないようである。いったいなんだろう。
猫の言葉をわたしは理解できぬし、わたしは猫ではないので、猫の態度や表情から、思っていることを読み取ることはできない。それが、越して来てから一週間 ぐらい続いている。まっくらい路地裏で、白い猫の姿だけが浮き上がっていて、猫の鳴き声だけがあたりに響くから、ちょっと不気味で、わたしはいつも足早に通り過ぎる。

もしかして動物達にとっては、わたしは何か特別な存在で、薫先生わが町に来る、などとなっているのだろうか。それとも動物達にしか見えないような存在が、わたしにとりついているとしたら。どうしよう不安だ。

 

2007.04.08 Sunday

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