薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

温泉(2)

なかに入ると、温泉というより、大きな浴場という造りであった。
しかし、そう思ったのも束の間、突然、おやじが視界に現れた。
剥き身のおやじ。
思わず声を上げそうになった。

浴場で、裸であるのは当たり前であり、わたしの方がおかしい。そうとはわかっているが、どうしても、何か違和感がある。

剥き身のおやじは、湯に浸かり過ぎた後で脱力しているのか、あられもない姿でわたしの前に立っている。タオルを手からぶら下げたままで、股間にあてていない。股に、黒いカリフラワーが生えているみたいに見える。

おやじがかくさないので、黒いカリフラワーのあたりに目が行ってしまう。ワンポイントになっているのがいけない。目に入るとドキリとする。

おやじの裸は見慣れていない。

女子の裸なら、見慣れている。女子の裸に異常な執着を持ち始めてから、数え切れないほど見ている。頭の中が、裸といえば女、ほんの少し鍛えられた男、となっている。

女子の裸を見ると、やはりそういうからだだよな、と感じることが多々ある。こういう女子はこういうからだ、というのが、かなりの程度、自分の中にあって、その気で見れば、何となくわかるような気がする。なんだろうこれは。

女子浴場に行った方が、裸を見ても驚きはなく、冷静でいられるかもしれない。

おやじのからだは、なぜか目に入ると、驚きと違和感が起こる。

剥き身のおやじが、ちらと、こちらを見た。横にあったかけ湯の方に、わたしは向かった。

 

2007.02.18 Sunday

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