薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

小西真奈美

結婚適齢期のわたしは、小西真奈美似だという女性を、紹介していただいたことが二度もあるのです。

しかし、会ってみるとふたりとも、口どけ柔らかな色白の、怒ると色黒になるあの生物、イカに、烏賊に似ておりました。

どこが似ているというのでしょう。

イカをどの角度から見ると、小西真奈美に見えるというのでしょう。

誰かに似ているとかいうときに、さすがにイカに似ているとは言えないので、極力いい方向に解釈していくと、小西真奈美になった、ということなのでしょうか。

小西真奈美の写真を見て、いやらしく微笑み、よからぬ妄想を思い描いていたお前が悪い、ということなのでしょうか。

でも別に、イカに似ていても構わないのです。

大人の、人間の、女性なんですから。

ただ、さらにひとりのイカ似のかたは、鼻の穴から毛がとび出ていました。二本もとび出ていました。

ばっちり化粧をする前に、まず、やることがあるのではないかと、鼻の毛がのぞくたびに、わたしは思いました。こちらは前の晩、鏡を何度も見て確かめていたというのに、この不公平感はなんだ、とも思いました。

会話の間が持たなくなったとき、なにげなく、彼女の着ている服や、履いている靴や、持っている鞄を見るともなく見ました。

そのときふと、これから一、二度デートをしたとすると、いま目の前にいるこの人と、セックスというものをするのだろうか、と思いました。

その日はお天気がよく、気持ちのいい風が吹いていたことを、なぜかよく憶えています。

しかし結局、彼女はその日、「鼻の穴から毛が出ている、イカに似た女の人だ」ということを、わたしに忘れさせてはくれませんでした。

次の日、彼女の鼻から毛が出てない日に会えば、何か彼女らしい、彼女のいいところを見つけられるかもしれない、と思っていたわたしの元に、ご紹介をしてくださったかたから、お断りの電話が掛かってまいりました。当時、わたしは派遣社員だったので、正社員でないことが気に入らない、ということのようでした。

わたしは今は派遣社員でさえもなく、フリーターです。

 

 

2007.01.01 Monday

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