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薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

マチコ

最近シカにつきまとわれてこまっている。

名をマチコという。

他県の友人が訪ねて来たからといって、宮島に行ったのがいけなかったのだ。

次の日から、家の前にやまだ屋のもみじまんじゅうが、二個置いてあるようになってしまった。

毎日置いてある。

こしあん、つぶあん、抹茶、チョコ、クリームチーズが、日替わりで二個ずつ、わたしのアパートの部屋の前の廊下に、置いてある。

もみじまんじゅうを取り上げてみると、下に紙が置いてあり、そこにいつもマチコと書かれている。

書かれているといっても、おそらくシカが書いたものなので、幼児が書いたような、字ともいえないような文字で、なんとかマチコと読めるようなものなのだ。

今日も明け方、コンコンと玄関の扉を叩く音がした。行って覗き穴から見るが、もう誰もいなかった。

ゆっくりと扉を開けてみると、もみじまんじゅうが、今日も、二個置いてある。

クリームチーズ味だった。

紙には、また拙い字でマチコと書いてあり、山吹色の、シカの毛らしきものが付着していた。

毛らしきものをつまんで見ていると、一階の方で、床を歩く蹄の音らしきものが聞こえた。

急いで下りてみるが、シカの姿はどこにも見あたらなかった。

いったいなんのつもりなのだ。シカのやることなので、まったくわからない。

 

2007.01.28 Sunday

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