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薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

ハトハト

広島日記

ハトがまた来ている。
なぜか昨日よりも、やけにうるさい。
いやな予感がして、閉めきったカーテンを少しあけて外を覗くと、ハトがわが家のベランダに、また不法侵入している。
今日は二羽も来ている。
ひどく驚き慌てた様子で飛び去っていった筈のハトが、一日経ったらまた、同じ場所にやって来て、しかも、お友達まで連れてきている。
ハト達とわたしは目が合った。
二日続けて目が合ったというのに、ハトはわたしのことを無視したばかりか、それからしばらく見つづけているというのに、わたしのベランダに、ひどく仲睦まじい様子で逗留し、まるでわたしなど存在してはいないかのような態度である。
不法侵入、不法滞在、不法交遊であり、既に一羽は再犯である。
このままでは不法排泄も直ぐそこである。
ハトに対して、法は全くの無力であり、ハトは法を犯すことに何の躊躇もしない。
ハトだからである。
しかし、ハトは何をやっても許されるというのか。口を開けば責任能力の欠如を訴える犯罪者の弁護士のようである。
突然一方的に被害を受けて、誰も報いてはくれない。生きていることを否定された気がする。
いや、ハトこそは真の被害者なのだ。ハトこそは現代社会が生み出した病理なのである。ハトを救え。ハトの心の闇を解明せねばならぬ。などと誰かが言っていそうである。
なんだかわからないものを、ホロッホーという調子外れの鳴き声で、わたしはハトにぶつけようとした、が、昨日ハトに、ホロッホーと叫びかけたから、仲間がいると思いやって来たのではないか、とわたしは思って、何も出来なくなってなってしまった。
が、何かに耐え切れなくなったのか、思わずカーテンをいきおいよく開けて、閉てつけの悪いアルミサッシをがたがたいわせて開けようとしていると、ハトは、真っ青に晴れ渡った空に、二羽並んで飛び去っていった。

 

2007.01.22 Monday

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