薫の下流日記

日記、近況、習作、その他ゴミ置き場

習作

いつかこれを読む君へ

僕がいまここに文章を書いているのは、この冬に僕はおかしくなって、アパートの部屋にひきこもり、誰にも会わない生活をはじめたからで、いっそのことこれまでのすべてをどこかにあらいざらい書いておきたくなったからだった。正直僕には話す相手がいない。 …

東京強歩(2) いちども行かずにおわる大島という町が戦争をしかけてくる

とりあえず、まずとなりの町はどうなっているのか、わたしは自分で確かめてみることにした。家にあるポケット地図を見ると、わたしの住む町、江東区亀戸のとなりは大島となっている。しかし、亀戸のとなりは大島だといわれても、現実感がない。わたしはじっ…

東京強歩(1) 東京はどこにある

とにかく東京を歩いてみようと思った。東京に出てきて一年以上経ち、毎日東京に居るはずだが、わたしは東京に住んでいるのだ、という実感がない。果たしてここは東京なのだろうか、と思うことがよくある。普段生活しているところは、東京の東の方の下町と呼…

おっぱいと男(下)

男が部屋で寝ているあいだに、かちゃり、と扉を開け、おっぱいはそろそろと入ってきて、男の腕を取り、勝手に婚姻届に名前を書かせていたのでした。 おっぱいは婚姻届をたたんで谷間に戻しました。 そして早足で入り口に向かいました。 男があっけにとられて…

おっぱいと男(中)

男は帰りにもりそばを食べようと思いました。 しかし、しばらく道をまっすぐ進んでいると、少し先にある区役所の前に、ずぶ濡れのおっぱいが立っていました。 鳥肌を立てたおっぱいが、男がやってくるのを待ちかまえています。 おっぱいは待ちかまえているの…

おっぱいと男(上)

町のはずれに、ひとりの男が住んでいました。 友だちもおらず、恋人もいない。 男はひとりぼっちのさびしい男でした。 休みの日、男が買い物をしにひとりでショッピングセンターに行くと、そこにはたくさんの人たちがいました。 家族で来た人や夫婦で来た人…

おっぱいとわたし(7)

おっぱいがこちらに駆け寄って来た。 ドアを閉めなきゃいけない。 だが、こちらに駆け寄ってくるおっぱいの姿を見て、閉めることができなかった。 おっぱいはわたしの横をあっという間にすり抜けた。しゅにゅという感触が、脚に伝わった。 振り返ると、部屋…

おっぱいとわたし(6)

おっぱいを止める為、わたしは駆け出そうとした。 しかしそのとき、江東区役所の中へおっぱいは入っていった。 どうなるのだろう。受理されてしまうのだろうか。どうしていいかもわからなくなり、わたしはその場から駆け出して、逃げてしまった。 当てもなく…

おっぱいとわたし(5)

なぜ、わたしはおっぱいと人生を歩まねばならないのだろう。 いつからそうなっていたのだろう。おっぱいが勝手に決めたことだろうか。そういう運命なのだろうか。 入口前で、またおっぱいは立ち止まって、用紙を確認している。 婚姻届には、成人二名の証人が…

おっぱいとわたし(4)

目の前の、おっぱいの後姿を見つめていると、むらむらと腹が立ってきた。 後ろ姿はまるでおしりのようだ。 どうしてくれよう、と思ったら、わたしを無視して、おっぱいはとことこと歩き出した。勝手にしろ、こっちも無視して行くだけさ、と思ったが、区役所…

おっぱいとわたし(3)

鳥肌を立てたおっぱいが、黙って江東区役所の前にいる。 自分の姿が目に入る場所にいて、しかし視線を合わせないようにしているところがいかにもおっぱいらしい。あてつけがましい。 わたしもおっぱいの方は見ないで、黙って通り過ぎることにした。 目の前を…

おっぱいとわたし(2)

おっぱいを抱えていては電車に乗れない。 錦糸町駅を通り過ぎ、わたしはおっぱいと共に南へ進んだ。おっぱいと南進した。 わたしの腕の中で、おっぱいは歩くたびにふるふると揺れている。 おっぱいは安心しきった様子で、ちょっと眠っているかのようでもあっ…

おっぱいとわたし(1)

オリナスの二階、窓際の、休憩用に設けられたテーブルにわたしはついた。買い物客が行き交っていた。窓から、錦糸公園を眺めると、草野球をしている人達がいる。自分も、あのような休日を過ごしてみたくもある。しばらくその様子を眺め、前に向き直ると、向…

eneloop

やばいやばいと思っていたのです。 ちがうちがうと必死で打ち消していたのです。 ですが、もう自分に嘘をつけなくなりました。 どうやらわたくしは、電池フェチのようなのです。 電池に異常な興奮を覚える異常者のようなのです。 電池を見ると心拍数が上がり…